後藤雅洋『ジャズの名演・名盤』
講談社現代新書の『ジャズの名演・名盤』は旧版と新版があって、絶版になってるけど旧版が手に入るなら旧版を薦めたい。この手の本は時間的、ジャンル的にどこかで区切らなきゃいけないわけで、旧版のほうが過不足なくカチッとした区切り方になってると思う。
この本を読んでリー・コニッツの「モーション」がお気に入りになった。自分は黒人至上主義的なところがあって、白人のジャズを積極的に聴こうとは思わないので、この本をきっかけに聴くことになって良かった。
ちなみに著者は、ジャズのアルバムを初めて買うと言う人にはビル・エバンスの「ワルツ・フォー・デビー」を薦めるようにしてるとのこと。
楽器別に章立てされてて、各章で何人かのミュージシャンを生年順に取り上げてる。ヴォーカル以外はすべてモダン以降。
中山康樹『ジャズの名盤入門』
この本はちょっと変わったタイトルだと思う。普通は「○○の名盤」か「○○入門」で「名盤入門」というのは珍しい。中身は50枚の名盤を録音年月日順に取り上げて、その聴き所をそれぞれ4ページずつで解説したもので、ちゃんと「名盤入門」というタイトルがピッタリの内容になってると思う。
かなり前に立ち読みしたことがあって、コルトレインの「アセンション」が取り上げられてるのを見てどこが入門なんだよと思ったけど、改めて見てみるとちゃんと初心者向けのものも多い。「アセンション」については前奏(集団即興)以外はわりと普通みたいなことが書いてあってそのとおりだと思った。
バランス的にはハードバップがもっと多くても良かった気がする。
内藤遊人『はじめてのジャズ』
『はじめてのジャズ』は、タイトルでは分かりにくいけど、中身はほぼジャズの通史になってる。まだほとんど読んでない。最後に「聴いておきたい名盤50」というのがあって、ミュージシャン一人に付き一枚ずつアルバムを挙げてあるけど、その本文中に他の代表作が羅列してあって、これが意外と使えると言えば使える。