Kindle Unlimitedで古い少女漫画を何冊か読んだ。その中で小室しげ子の『Aの悲劇』がいい作品だったと思う。
シェイクスピアの『リア王』を下敷きにしていて、父王のことをもっとも慕っている末娘が疎まれる。もちろんこっちは王ではなく末娘が主人公だけど。占いに翻弄されるという点では『マクベス』に似ているし、ほかの要素もあるかも知れないと思いながら読んでいたら『ハムレット』が出てきた。
展開が速くてスリリングで、ツッコミを入れたくなるところもあるけどいい作品だった。
オリジナルは講談社コミックスなかよし。
追記:
そう言えば登場人物の一人がシェイクスピアと似ていたような、と思って見返してみたけどそれほど似てなかった。ただしこの人物はイギリス出身で、シェイクスピアを意識しているのは間違いないだろう。さほど似てないのは現実に存在した人物に似せるのがはばかられたからかもしれない。
ついでに六人も妃をめとりながら云々というセリフがあるのでこれもシェイクスピア絡みかもしれないと思って検索してみたら、妃が6人いたのはヘンリー八世のようだ。もちろんシェイクスピアは『ヘンリー八世』も書いているので、そこからの発想と考えるのが妥当だろう。
馬番が後々重要な役割を果たす人物で、これもシェイクスピア絡みかもしれないと思って検索したら、シェイクスピア自身が馬番だったらしい。
まだ探せばシェイクスピアネタが見つかるかもしれないけどとりあえずこんなところで。