あの日食べたバターライスの不味さを僕達はまだ知らない。(実写版)

We still don't know the distastefulness of the butter rice we ate that day. (live-action version)

小室しげ子『Aの悲劇』 1985年

 Kindle Unlimitedで古い少女漫画を何冊か読んだ。その中で小室しげ子の『Aの悲劇』がいい作品だったと思う。

 シェイクスピアの『リア王』を下敷きにしていて、父王のことをもっとも慕っている末娘が疎まれる。もちろんこっちは王ではなく末娘が主人公だけど。占いに翻弄されるという点では『マクベス』に似ているし、ほかの要素もあるかも知れないと思いながら読んでいたら『ハムレット』が出てきた。

 展開が速くてスリリングで、ツッコミを入れたくなるところもあるけどいい作品だった。

 オリジナルは講談社コミックスなかよし。

Aの悲劇

Aの悲劇

  • 作者:小室 しげ子
  • 出版社/メーカー: ビーグリー
  • 発売日: 2017/06/30
  • メディア: Kindle
 

 

追記:

 そう言えば登場人物の一人がシェイクスピアと似ていたような、と思って見返してみたけどそれほど似てなかった。ただしこの人物はイギリス出身で、シェイクスピアを意識しているのは間違いないだろう。さほど似てないのは現実に存在した人物に似せるのがはばかられたからかもしれない。

 ついでに六人も妃をめとりながら云々というセリフがあるのでこれもシェイクスピア絡みかもしれないと思って検索してみたら、妃が6人いたのはヘンリー八世のようだ。もちろんシェイクスピアは『ヘンリー八世』も書いているので、そこからの発想と考えるのが妥当だろう。

 馬番が後々重要な役割を果たす人物で、これもシェイクスピア絡みかもしれないと思って検索したら、シェイクスピア自身が馬番だったらしい。

 まだ探せばシェイクスピアネタが見つかるかもしれないけどとりあえずこんなところで。

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