放送大学に川上弘美が出てた。『文学の愉しみ』というラジオの講義にゲストとして出てた。2008年の講義ってことで、『どこから行っても遠い町』の時に週刊ブックレビューで見て清楚な感じのきれいな人だなって思ったのがちょうどその年の年末だから、講義はその一年前くらいかな。映像で見たかった。
デュラス『モデラート・カンタービレ』
カルヴィーノ『見えない都市』
ガルシア=マルケス『エレンディラ』
の三冊を取り上げてた。特に影響を受けたとかっていうより、『文学の愉しみ』という講義のタイトルに沿って選んだものだったと思う。『エレンディラ』は『エレンディラ』の中の一編(『大きな翼のある、ひどく年取った男』だったかな)を取り上げてた。
記憶が定かじゃないけど、他には大学生くらいまで児童文学ばかり読んでたこと、漱石を読んだけどなじめなくて安部公房や倉橋由美子を読んでたこと、『カラマーゾフの兄弟』の新訳を読んだこと、翻訳はなぜか原作より先に古びるということ(これは講師の柴田元幸の発言)、ヴァージニア・ウルフをかなり読んだということ、SFを読んだということ(名前が挙がったのはメジャーどころだったと思う)、村上春樹やよしもとばなな以降、女性の描かれ方が変わったということ、川上は具体的な地名を書かないというか、実在する土地の話を書かないということなど。
野球を見ながら聞いてたし、基本的に集中力がないのであまり深い話は頭に入らなかったかな。
あとは川上自身が『神様』の朗読をしてた。
作家の子供のころの読書体験について書かれたエッセイが好き。川上だと『ゆっくりさよならをとなえる』に入ってる『はじめての本』、あとは小川洋子『博士の本棚』の『図書室とコッペパン』がかなり好き。