あの日食べたバターライスの不味さを僕達はまだ知らない。(実写版)

We still don't know the distastefulness of the butter rice we ate that day. (live-action version)

Michael Is Dead

マイケル・ジャクソン死去。大したファンじゃないんだけど、やっぱり悲しいな。一つの時代の終わりだとも思わないし、失われたもの、終わったものがあるとすれば、それは既に失われてたものだと自分は感じてたはずなんだけど。
初めて買ったアルバムは「off the wall」で、リック・ジェイムズの「street songs」と一緒に買ったのをよく覚えてる。多分90年代の終わりぐらいに。それまでは60年代までのブルースとかソウルを中心に聴いてたので、自分としてはちょっとした新境地で、新鮮な気分で買ったことも思い出した。
「U.S.ブラック・ディスク・ガイド」では79年発売の「off the wall」が「80s':black contemporaries 80年代のソロシンガー」の章の一番初めに挙がってる。マイケルの先取性を示してるように思える。その「off the wall」の全曲レビューをやってみた。今やることか?

★…1点 ☆…0.5点で5点満点


Michael Jackson/Off The Wall
1. Don't Stop 'Til You Get Enough
★★★★★
この曲に5点を付けてることでセンスを疑われるかも知れない。自分も前はただノリが良いだけの曲と思ってた。確かに曲の良さではロッド・テンパートン作の2、5に及ばないけど、リズムが凄い。マイルス・デイヴィスの「on the corner」辺りの音を歌ものポップスの中で再現しようとしたかのようなリズムの洪水。パーカッションと単音でパーカッシブなギター二本が特徴。ルイス・ジョンソンのベースはおとなし目。

2. Rock with You
★★★★
ロッド・テンパートン作。ブラコンらしい名曲。

3. Working Day and Night
★★★★☆
1ほどじゃないにせよリズムが強烈。重厚なホーンも印象的。1、3は共にマイケル作曲でリズムアレンジはグレッグ・フィリンゲインズとマイケル。

4. Get on the Floor
★★★★★
マイケルとルイス・ジョンソンの共作。ルイス・ジョンソンが大爆発。ワー・ワー・ワトソンも途中から狂暴になる。1、3、4はマイケルが共同プロデュース。

5. Off the Wall
★★★★
ロッド・テンパートン作。こちらも名曲。ルイス・ジョンソンのベースはかなりシンプル。

6. Girlfriend
★★★
ポール・マッカートニー作。ちょっと息抜き的なポップな曲。聴く人が聴けばものすごい名曲なのかも知れないけど。

7. She's Out of My Life
★★☆
ほとんどエレピとストリングスだけのスロー・バラード。やさしい感じ。

8. I Can't Help It
★★★★☆
スティーヴィー・ワンダー作。スティーヴィーの天才的な作曲能力が発揮された曲のひとつ。エレピとシンセがかなり良い。

9. It's the Falling in Love
★★★☆
CDの解説によると作曲したのはアダルト・コンテンポラリーのヒットメーカーとのこと。こういう曲も悪くない。

10. Burn This Disco Out
★★★★☆
アルバムの中で一番ファンクっぽい曲かも知れない。ギターとホーンが強烈。


自分なりにかなり新しい発見もあった、というか今までいかにちゃんと聴いてこなかったかってことを思い知った。リズムにかなりこだわりを持ってたことは間違いなさそう(貢献度はともかく)。マイケルのヴォーカルは経験は充分だけど20歳そこそこでまだ完全には成熟しきってないような、自分にはちょっと掴み所がない感じがした。全体を通して80点くらいな感じ。
良くも悪くも極端に評価される人だけど、ミュージシャンとしては正当に評価されて欲しいな、と思う。