あの日食べたバターライスの不味さを僕達はまだ知らない。(実写版)

We still don't know the distastefulness of the butter rice we ate that day. (live-action version)

言葉関連の本

 「トラッドジャパンのこころ」を買った。NHK教育テレビトラッドジャパン」の「Words & Culture」のコーナーをまとめたもので、内容は言葉を通した比較文化が中心。テレビは全52回で本には50項目載ってる。発売は3月なのでテレビでやったもの以外も載ってるかも。今テレビでやってるのは去年放送したものの再放送らしい。
 塔とtowerの話はテレビでも見て覚えてた。大雑把に言うと、「tower」の訳語に「塔」を用いたことで、元々は仏教用語だった「塔」が「高い建造物(=tower)」の意味を含むようになったということ。
 似たような話で「自由」というのは元々「勝手気まま」というような意味だったのを、freedomやlibertyの訳語に当てて意味が変質したということがある。多分こっちの方が複雑で、「翻訳語成立事情」によると福沢諭吉が「自由」を訳語として使う時に「わがまま」という意味ではないという内容の注釈を付けたり、他の学者も「自由」を使うのを躊躇ってたり、他の言葉を使ったりということがあったらしい。あと、やまとことばと区別を付けやすい語彙が選ばれたと言うようなことも書いてあった。
 「翻訳語成立事情」には、日本になかった観念を日本語に当てはめたり、それを表す新しい語彙を作った話が書いてあるわけだけど、逆に日本語の観念を英語で表現するために、言おうとしている日本語の意味を捉え直そうという事が書いてあるのが「日本語が見えると英語も見える」。和英辞典はイマイチ使えない訳だけど、あれは「日本語の単語(観念)を敢えて一単語で表すならコレ」という事が書いてあるので、場合によっては役立つのだろうけど、ファジーな感覚的なことを伝えようとすると特に使えない。この本では例えば「けなげ」のような言葉を、英語に直しやすい日本語に変換して英訳すると言う方法を示している。日本語に変換する部分は、自分なりに伝えたい感覚を考えるというやり方の替わりに国語辞典で調べてそれを英訳するという方法も使えるのかな?


怒涛の翻訳例辞書