あの日食べたバターライスの不味さを僕達はまだ知らない。(実写版)

We still don't know the distastefulness of the butter rice we ate that day. (live-action version)

杉しっぽ『無理矢理ウエディング』 フラワーコミックス 2013年

 怪作として名高い「芋けんぴは恋を呼ぶ」が収められている『無理矢理ウエディング』を読み終えた。全7作だけど、うち2作は番外編で5作プラスアルファという感じ。
 早速芋けんぴから読み始めたのだけど、意外とまともでちゃんと少女漫画になっていた。テンプレ的というと言葉が悪いけど、型を踏まえていれば異物(芋けんぴ)が混入していてもちゃんと少女漫画になる。終わり方もきれいでいい。
 最初の3作もおかしな要素はあるもののちゃんと少女漫画になっている。最後には両想いでハッピーエンドになるのが見え見えなのだけど、型通りの起承転結がしっかりしていることに加えて、ヒロインがいい。特に1作目、表題作の「無理矢理ウエディング」と3作目の「吸愛VAMP!!」のヒロインがいい。
 多少突飛な設定でも2~3ページ程度で説明的に感じさせることなく手際よく説明できているので物語にすんなり入っていける。
 狂った作品を期待してたのに意外と普通だったなと思って、しばらく日にちを置いてから4作目の「ネコミミはやめられないっ★」を読んだらこれが狂ってた。
 堅物の風紀委員長の気を引くためヒロインは校則違反を繰り返す。ある日ヒロインは校庭の片隅で猫をじゃらす風紀委員長を目撃する。次の日ヒロインはネコミミを付けて学校に行く。当然のことながら猫好きの風紀委員長に受け入れられる。その後も狂った展開が続く。
 読み終えてしばらく経ってから、そもそもこういう狂った作品を期待していたことを思い出した。
 ついでに芋けんぴを再読。やっぱり狂ってるな。俺のセンサーどうなってたんだ。まずヒーローが基本的にストーカーだし。狂気への期待値が上がりすぎてたかな。
 芋けんぴを目当てに買ったけどいろんな意味で楽しめる作品集だった。 

無理矢理ウエディング (フラワーコミックス)

無理矢理ウエディング (フラワーコミックス)