あの日食べたバターライスの不味さを僕達はまだ知らない。(実写版)

We still don't know the distastefulness of the butter rice we ate that day. (live-action version)

『仁義なき戦い 代理戦争』の出来事を書き出したら想像以上にややこしかった

村岡組(広島)幹部で実質的に組を取り仕切っていた杉原が殺害される。(殺害した側との関係に対立などの広がりは描かれてない)
このとき村岡の舎弟で杉原の兄弟分である打本が報復しなかったことが尾を引いて、のちに村岡組の跡目を巡る問題が起こることになる。(打本は杉原に次ぐ実力者でありこのとき報復していればすんなりと村岡組の跡目を継いでいたと思われる)
山守(呉)が広能(呉)を傘下に復帰させる。山守には村岡組の幹部と懇意にしている広能から村岡組の跡目に関する情報を引き出そうという意図があったと思われる。
広能と打本ら村岡組幹部は打本を兄貴分とする兄弟の盃を交わす。
打本は村岡組の跡目になったつもりでいるが山守は打本を快く思っていない。
打本は自分の格を上げて跡目争いで優位に立つため広能を通して明石組(神戸)の幹部と兄弟の杯を交わそうと画策する。当初は渋っていた広能だが打本を推す自分の立場を安定させる目的もあって間を取り持つことにする。打本は明石組舎弟頭の相原と兄弟の杯を交わす。(この後明石組は終始打本の肩を持ち続けるが広島進出のために利用しているに過ぎない。この時点での打本と広能の判断がすでに抗争の火種を広島に持ち込んだとも言える)
神和会(神戸)が明石組の強力なライバルであり全国制覇の障害になっている。
明石組の相原が広能と面会する。相原は打本が村岡の舎弟でありながら明石の舎弟になろうと画策していること、しかも兄弟分の自分に断りなくやっていることに不信を持つ。(広能は「あの人は事業家ですけえ」と打本をかばう。実際に打本はヤクザの世界でのし上がろうとしているわりにヤクザに染まっていない節がある。冒頭の事件で報復しなかったのもその面が出たものと言っていいだろう)
村岡が引退して跡目を山守に任せようとしている。広能は反対して打本を推すが、打本が明石組に近付いたことを村岡が快く思っていないと聞かされる。その直後に広能は明石組に対して下手に立ち回った打本に責任転嫁されてなじられる。広能と反目したことで打本が村岡の跡目を継ぐ芽がなくなり、結局山守が跡目を継いで山守組が村岡組を吸収合併することになる。(この時点で明石組をバックにつけた打本対山守の構図が出来上がりつつある。村岡の判断が妥当だったのか疑問だが、軽佻浮薄で野心だけは人一倍の打本に継がせていてもいずれ大きな問題を抱えることになるという判断だったのかもしれない)
打本が酒席で山守に辱めを受ける。広能と打本の感情的対立もさらに深まる。
山守の腹心の部下である槙原の舎弟の浜崎と打本の舎弟の小森が岩国でもめている。山守に恨みを持つ打本がこの対立を激化させる。
山守は村岡組の幹部だった松永や江田を使って小森と打本に報復させようとする。槙原が指揮を執って小森に殴り込もうとするが広能、松永、江田が降りて殴り込みは取りやめになる。(山守と槙原は口先だけでは威勢のいいことを言うけど明石組がバックにいる打本と本格的に事を構えることはできない)
山守は打本組幹部の早川を取り込もうとする。
山守組の事務所に発炎筒が投げ込まれる。打本の仕業と見なした広能らは打本との兄弟の縁を切る。
打本組の早川が山守を訪ねる。打本は指を詰めて神戸に逃げ込んだ。早川は打本に盃を返すとして山守に取り入ろうとする。直後に早川は打本を迎えに神戸に行く。
明石組の幹部が広能とひそかに面会する。明石組の相原らは広能に打本と手打ちするように要請する。広能はそこで山守や槙原らが裏で明石組に取り入っていることを聞かされる。
広能らが打本に詫びを入れて和解する。山守組の敗北であり、打本は明石の舎弟になる。
山守が村岡組の幹部だった武田を若頭に据える。武田は山口組の対抗組織である神和会と縁組しようとしている。神和会と結ぶと明石組と全面的に対立することになるため広能は乗り気ではない。(武田の判断が妥当だとは思えないが打本が明石の舎弟になったことで追い詰められていたのかもしれない)
広能が何者かに襲撃される。
おっぱい
広能の子分らが独断で槙原を襲撃する。槙原らは打本に取り入ろうとしている。
同じころ広能は明石組の幹部、岩井と面会している。岩井は広能に打本と広能らの兄弟の盃を元に戻すように要請する。面会の最中に電話が鳴り、槙原襲撃について聞かされる。
広能は武田に神和会との縁組に協力すると伝える。広能は山守組と神和会の関係を深めることで山守を追い詰めようとしている。
山守組と神和会が兄弟盃を結ぶ。(広島代理戦争の構図が完成した)
明石組の幹部が広島に出向いて山守組の幹部に打本との盃を戻すように求める。武田は難色を示すが、広能の策略で面会の場に呉のヤクザ界の大物、大久保を引っ張り出したこともあり、押し切られる形で打本との盃を戻すことが決まる。
広能と武田が面会の場に残る。広能は武田に腹を割って明石組と神和会の板挟みに山守を追い込んで引退に追い込もうと画策していること、山守引退後は武田を跡目に推そうとしていることを話す。
手打ちに反対した早川は打本に破門される。
山守は神和会に義理立てするために広能を絶縁する。武田は広能の期待に反して山守についた。山守と広能の間で中立を保とうとした松永も絶縁される。
広能を助けるという名目で広島に介入したい明石組に迫られて打本は武田らに絶縁状を出す。
打本に破門された早川が武田にけしかけられて明石組の傘下に入った打本組(打本会)を襲撃し、本格的に抗争の火ぶたが切られる。
槙原の首を取りに行った広能組の若い組員が槙原と内通している別の組員の密告によって返り討ちにされる。
殺害された組員の火葬を終えたところで広能たちが何者かに襲撃されて骨壺が車でぐちゃぐちゃにつぶされる。

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 『仁義なき戦い 代理戦争』は仁義なき戦いシリーズ全5作の第3作。ウィキペディアにこの作品が第1作の続編とあるように、第2作は大きな抗争へ至る流れというよりは主人公の山中正治を中心とした内省的な内容で、第3作冒頭の前回までのあらすじでは第1作の内容だけを振り返っている。

 次作を見るための足掛かりとして、抗争に関わるような重要な事柄だけをまとめて、誰がどんな意図で動いたのかを整理しておきたかった。最低限の事柄だけを書くつもりだったけど長くなった。意外とややこしい話だとは思ってたけど想像以上にややこしかった。

仁義なき戦い 代理戦争 - Wikipedia

仁義なき戦い 代理戦争
 

追記(2023年2月):

 一か所明石組を間違えて山口組と書いてあって笑った。確かに山口組がモデルだけども。何回か読み返してるはずだけど気付かなかった。